キリスト教
尊厳のまなざし―介護の日(11月11日)に寄せて
朝、窓を開けると、冷たい空気がすっと部屋に入りました。季節は、静かに歩みを進めています。その小さな移ろいに気づけることも、家で過ごす時間が増えたからかもしれません。 父は、病院に通うことがむずかしくなり、在宅での介護と見 […]
ぬくもりの手がそっと ー 訪問看護と母の入浴の日
朝の空気に寒さが混じるようになりました。その冷たさをやわらげるように、浴室を早めに温めます。あの小さな湯けむりの向こうで、母がほっと息をつけるように。 訪問看護師さんが来られると、まず体の状態をやさしく確かめてくださいま […]
「バーバとジェイ子」― 涙のむこうに見えた光
7月の終わり、心が少し疲れていた頃。介護を支えてくれる人たちに囲まれているのに、なぜか自分だけが取り残されているような孤独を感じていました。夜になると、静かな部屋の中で涙がこぼれる日もありました。 そんなある日、スマート […]
飲み込めたしあわせ― 柔らか親子丼
介護をはじめて一年と四か月。その日々の中で、台所の工夫も祈りのかたちも、少しずつ変わってきました。 夏のあいだ、父の嚥下が弱くなり、飲み込むまでに時間がかかるようになりました。一口ごとに見守りながら、「どうしたらもう少し […]
Can I Help You ?― 優しさを見つけた朝
最近、母と私のお気に入りの言葉が“Can I help you ?”(何かお手伝いしましょうか?)です。きっかけは、ある朝のこと。父を起こして水分補給をしていたとき、背後から母のため息が聞こえました。 「わからない…」お […]
そばにいるね―痛みの夜に寄り添って
夜になると、父の胸の奥からゴロゴロという音が聞こえます。たんがからんで、息がしづらそうにしています。私はそばに行き、「お父さん、苦しいね」と声をかけます。 枕の角度を少し上げたり、体の向きを変えたりしながら、静かに呼吸が […]
老いを生きる − 母の介護の日々に灯る希望
「老いを生きるのは大変なんだよ。」 両親と暮らし、日々を支えてくれていた弟夫婦に、尊敬する老牧師が語られた言葉です。この言葉は姉と私にも伝えられ、今も心に残っています。その言葉を心に受けとめながら、今は私が両親と三人で暮 […]






