昨日は姉の65歳の誕生日でした。今朝早く、新幹線で神戸から、両親の世話のために姉が来てくれました。ちょうど誕生日の翌日だったので、その日の夕食でささやかなお祝いをすることにしました。
夕方、弟とお嫁さんが、両親と私たちのために出張のお土産を持って来てくれました。お嫁さんは姉の誕生日を覚えていてくれて、みんなが大好きなバンフの森のいちごショートケーキを。父の嚥下のことも考えて、バンフのプリンも買ってきてくれました。真っ赤で甘いいちごは、お嫁さんのご両親からです。

何十年ぶりだろう。姉と一緒に、顔を合わせて誕生日を祝うのは。夕食は、母にはお粥を酢飯にしたお刺身丼。姉と私は手巻き寿司です。父は、大好きだったネギなしのネギトロ丼も食べなくなり、いまはプロテインヨーグルトにバナナをつぶしたものや、メイバランスゼリーが主な食事になりましたが、この日は姉が来てくれてうれしかったのでしょう。母も久しぶりのお刺身を「おいしい」と言って、うれしそうに食べていました。
介護で疲れていると、あと一品がなかなか作れません。そんな私を見て、姉が言いました。「大丈夫。私がするから。あなたは座っていなさい。」お刺身の鯛を少し取り分けて、さっとすまし汁。
前回来たときに姉が買ってくれていただし昆布と、かつおの顆粒だしです。冷蔵庫の野菜室で、太ネギを見つけ、青いところを少し刻んで、すまし汁にそっと散らします。すると、ねぎとすまし汁の香りが、ふわぁっと立ち上りました。その香りと一緒に、姉のやさしさが私の心にもいっぱいに広がりました。

そういえば、私は小さなころから姉に助けてもらってきたのだなあと思いました。母が入院していたとき、私は心細くなり、姉の横で泣いていたのを覚えています。姉は泣きたいのをこらえて、「大丈夫」と言ってくれました。そんなことを思い出しながら、私は目の前の食卓を見つめていました。
いつもの介護の食卓に、姉の誕生日を祝うショートケーキ、父のためのプリン、真っ赤で甘いいちご、そして祝い鯛のすまし汁。小さなお祝いの席が、そこにできました。
春うらら。
その夜、すべての片づけを終えるころには、姉はもう眠りについていました。朝早い便で来てくれたので、こちらへ出て来る前に、きっといろいろと仕事も済ませてきてくれたのでしょう。にぎやかな時間のあとの、静かな寝息。それがなんだか、ありがたくて、あたたかくて。こうして姉が来てくれるのも、いつもこころよく送り出してくれる義兄のおかげです。心から感謝しています。
春うらら
眠る姉の寝息を聞いて
わたしの心
まだあたたかい